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利用してます?ふるさと納税

2017.04.10

お世話になります。税理士の山方です。

昨年末に「ふるさと納税」した京都府伊根町よりお礼品として頂いた「イノシシ肉」を焼肉にして頂きました。臭みも全く無く非常に美味しかったです。昨年初めて「ふるさと納税」を利用したのですが、是非今年も活用したいと考えております。

そこで、今回は「ふるさと納税制度」についてお話したいと思います。

 

1.「ふるさと納税 」とは?

 「ふるさと納税」とは、自分が応援したい自治体(市区町村)に寄付をすることです。2,000円以上という条件がありますが、税金の控除や自治体からのお礼品をもらえるというメリットがあります。各自治体もお礼品には力を入れており、各地の趣向を凝らした特産品を頂けるだけでも、「ふるさと納税」をやる価値は十分にあります。

 

2.確定申告する事で負担額は実質2,000円!

 「ふるさと納税」は、形式上は自治体に対する「寄附」という形をとっています。そのまま何もしなければ、単なる自治体への寄附で終わります。しかし、寄附をした年に確定申告をすることで、「本来納めるべき税額」が、「寄附した金額から2,000円を引いた金額」相当分減額される事となります。

例)

平成29年中に65,000円を「ふるさと納税」した場合

平成29年分の所得税(平成30年3月15日までに納付) ⇒ 6,300円の減税

平成30年分の住民税(平成30年6月から納付開始)     ⇒ 56,700円の減税

実質負担額:2,000円

65,000円[寄付金額]-(6,300円[所得税減税]+56,700円[住民税減税])=2,000円[負担額]

 

この制度により、納税者は実質2,000円の負担額で各地の特産品をお礼品として頂くことができる事となります。言い換えれば、翌年払うはずの税金の一部を前払する事で、地域の特産品がもらえてしまう、お得な制度です。(2,000円は自己負担)

 

3.寄附する時の注意点(上限額には、個人差あり)

 「ふるさと納税」を利用すれば実質2,000円の負担でお礼品をもらえると上記で述べましたが、際限なく利用できるかというと、そうではありません。この制度はあくまで翌年の税負担を軽減する事で実質負担を2,000円に抑えるものです。つまり初めから負担する税金が無い人は、この制度を利用しても減税効果はありません。又、人によって納付する税金が異なるため、この制度を利用する上限額も異なる事となります。上限額を超えて「ふるさと納税」した場合は、2,000円を超える実質負担額が発生する事となるため注意が必要です。基本的に所得の多い人(納税額の多い人)ほど、上限額も高額になります。

この他にもいくつか注意点がありますのでご注意ください。

【「ふるさと納税」注意点】

・「ふるさと納税」には上限額がある。上限額を超える寄附は2,000円超の実質負担発生。

 上限額=(住民税所得割※1×20%)÷(90%-所得税限界税率※2)+2,000

 ※1住民税所得割:住民税の納税通知書で確認できます。

 ※2所得税限界税率:確定申告書と国税庁発表の所得税税率表で確認できます。

 注1)住宅ローン控除等の適用を受ける場合は、上記算式は使えません。

 注2)平成29年分の上限額は、平成29年分の所得に応じて計算します。

 例)サラリーマン、独身、年収600万円 ⇒ 上限額:約76,000

・原則、確定申告が必要。(もともと確定申告が不要な人は、特例あり。)

・確定申告には、寄付先から交付される受領書が必要。

・お礼品の総額が年間で50万円を超えると税額が発生する可能性あり。

 

 上限額については上記の算式で計算する事も出来ますが、専門知識が無いと中々大変です。詳しく知りたい方は市役所や税理士等にお尋ねください。又、平成29年分の上限額は平成29年が終わらないと確定しないため、年内に正確な上限額を計算する事は出来ません。通常は前年の所得を目安にして計算する事となります。

 

4.不動産を譲渡した年は、ふるさと納税のチャンス?

 所得の高い人ほど、「ふるさと納税」の上限額が高くなります。言い換えれば、翌年納める税金の高い人ほど、「ふるさと納税」の上限額が高くなるという事です。

 通常の場合、毎年の所得の金額はほぼ一定ですので、毎年の上限額もほぼ一定と言えます。しかし、不動産の譲渡をすると多額の所得(譲渡利益)が発生して、翌年多額の税金が発生する事があります。納める税金が高くなるという事は、「ふるさと納税」の上限額も高くなるという事です。

例年は上限額5万円の人でも、不動産を譲渡した年に限っては上限額が20万円というケースもあります。いくら上限額が上がるかは不動産譲渡の中身によりますが、譲渡所得税が発生するケースであれば確実に例年より上限額は高くなります。

 今後不動産譲渡を予定されている方は、「ふるさと納税」の事も合わせてご検討されることをお勧めします。

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筆者紹介

山方 越志
税理士法人 田崎・太田事務所
税理士

私は、これまで相続税の申告に30件以上携わらせて頂いています。相続対策も含めますと少なくとも100件以上にはなるかと思います。税理士事務所において、相続税の申告は通常1年に1回あるかないかと言われる状況から鑑みますと、かなりの件数をこなしているものと自負しております。 「相続対策」と聞くと節税対策を連想する方が多いのではないでしょうか? 実際、対策を打つことで相続税額が大幅に減少するケースは多数あります。しかし相続税を支払うのは財産を持っているご本人様ではなくその相続人様です。この考えから、財産をお持ちの方の中には「自分が死んだ後の財産や相続税には興味がない。」といった方も多いように見受けられます。 しかし私は本来の「相続対策」とは、ご本人様の為にこそ必要と考えております。「相続」という言葉の意味は、「次々と続いていくこと。」だそうです。その人が亡くなった後も、その人が生きてきた事実はいろいろな形で周りの人に受け継がれ生き続けるのだと思います。それは目に見えるものもあれば、目に見えないものもあるでしょう。その中で「相続財産」とは、その人が引継ぎ守り築いてきた、目に見える人生の証です。 節税のアドバイスは当然のこととして、何よりも「その人の大切な物が大切な人に引き継がれていくことのお手伝い」をモットーに業務に携わらせて頂いております。

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